2008 Fiscal Year Annual Research Report
先進マイクロ・ナノ粒子複雑流動プロセスのマルチスケール解析による最適化
Project/Area Number |
20760107
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高奈 秀匡 Tohoku University, 流体科学研究所, 助教 (40375118)
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Keywords | 流体工学 / モデル化 / 材料加工・処理 / ナノ材料 / 数値シミュレーション / 超音速流 / 固気二相流 / 静電加速 |
Research Abstract |
マイクロオーダーの粒子, または表面活性化されたナノ粒子をその融点よりも低い超音速流中に注入し, 加速された粒子が溶融することなく被加工物表面に高速で衝突することにより皮膜を形成する「マイクロ・ナノ粒子超音速ジェット加工(Cold Gas Dynamic Spray)」に対して, 粒子と衝撃波との複雑干渉および粒子と基板との衝突を考慮し, 微粒子超音速流動モデルと皮膜形成モデルから構成される統合モデルを構築した。また, 本モデルに基づいてナノ・マイクロ粒子超音速流動成膜の全プロセスを実時間数値実験することに成功した。さらに, 実機による皮膜形成実験および数値実験を統合した評価により, 本成膜法による微小空間でのキャビティー充填加工に関して最適なキャビティー形状を提案した。これにより, 最先端歯科治療応用, 構造物の欠陥補修, 非熱接合などの本プロセスの革新的応用展開に拍車がかかった。本研究により, 従来の高速流との運動量交換のみの粒子加速に加え, 静電気力を用いて省電力で帯電粒子を積極的に加速制御することにより, ナノ粒子高速輸送を可能とするとともに, 粒子付着効率(成膜効率)が著しく向上する先進的な研究成果が得られ, これらの研究成果は, 日本機械学会年次大会や日本混相流学会年会講演会, 日本流体力学会年会等の国内会議やアメリカ機械学会主催のInternational Mechanical Engineering Congress & Exposition, 国際プラズマ物理会議において発表された。また, 一連の研究成果を総括した論文は, Powder TechnologyやASME Journal of Fluids Engineeringの論文誌に掲載された。本研究により, 本成膜法を活用した欠損歯質の歯科治療や静電気力による環境汚染浮遊微粒子状物質の効率的捕集などの分野にも展開可能な新たな知見が得られた。
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Research Products
(7 results)