2009 Fiscal Year Annual Research Report
先進マイクロ・ナノ粒子複雑流動プロセスのマルチスケール解析による最適化
Project/Area Number |
20760107
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高奈 秀匡 Tohoku University, 流体科学研究所, 講師 (40375118)
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Keywords | 流体工学 / モデル化 / 材料加工・処理 / ナノ材料 / 数値シミュレーション / 超音速流 / 固気二相流 / 静電加速 |
Research Abstract |
マイクロオーダーの粒子,または表面活性化されたナノ粒子をその融点よりも低い超音速流中に注入し,加速された粒子が溶融することなく被加工物表面に高速で衝突することにより皮膜を形成する「マイクロ・ナノ粒子超音速ジェット加工(Cold Gas Dynamic Spray)」に対して,粒子と衝撃波との複雑干渉および粒子と基板との衝突を考慮し,微粒子超音速流動モデルと皮膜形成モデルから構成される統合モデルを構築した。最終年度である平成21年度においては,マイクロ・ナノ粒子超音速ジェット加工の先進応用を目指し,キャビティーを有する基板へのキャビティー充填加工に対して,統合モデルに基づく非定常二次元数値計算を行い,キャビティーを有する基板に衝突する超音速流中の微粒子と衝撃波との複雑干渉を解明するとともに,高速微粒子流の衝突過程を明らかにした。さらに,計算・実験の統合解析を行い,キャビティー形状が皮膜形成に与える影響を明らかにした上で最適キャビティー形状を示すことにより,高性能コールドスプレーの先進応用ための基礎資料を提供した。本研究により,キャビティー径がジェット径の1.5倍程度の頂角90度の円錐形キャビティーを用いることにより,キャビティー側壁近傍における逆流は抑制され,キャビティーは完全に充填されることが明らかとなった。本研究により得られた成果は世界的にも類を見ない大変独創的なものであり,本研究成果により,最先端歯科治療応用,構造物の欠陥補修,非熱接合などの本プロセスの革新的応用展開に拍車がかかった。以上より,本研究成果は学術のみならず産業界にも大きく貢献するものと考えられる。
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Research Products
(5 results)