2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20760110
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
木下 晴之 The University of Tokyo, 生産技術研究所, 特任助教 (40466850)
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Keywords | 粘弾性流体 / Micro-PIV / 共焦点Micro-PIV / 偏光顕微鏡 / 偏光共焦点 / ミセル構造 / 可視化 / 界面活性剤 |
Research Abstract |
本研究課題の達成に向けて, 計測・可視化の対象となるのはマイクロスケールにおける「流速分布(せん断分布)」と特異な現象を引き起こす源である「ミセル構造体」である. そこで本年度はこれらの情報を可視化・計測するためのツールについて検討とそれを使った予備実験を行った. 流速分布計測に対しては, これまで培ってきたマイクロ流れ計測技術であるMicro-PIVを応用した. Micro-PIVや共焦点Micro-PIVでは, レーサとして蛍光粒子を流体中に混入させる必要があるが, 界面活性剤を粘弾性流体として用いた場合, 蛍光粒子濃度を上げると粘弾性効果が減少することが確認された. これは粒子懸濁液に含まれる界面活性剤と粘弾性流体自身の界面活性剤の反応による効果であることが分かったため, 遠心分離を使ってトレーサ粒子懸濁液を洗浄し, 適度な濃度で使用することにより解決された. 流れの可視化に利用する蛍光色素についても同様の現象が確認されたが, 同様に可視化計測に適した蛍光色素と濃度条件を見つけることで解決できた. これらの実験により, 粘弾性効果が現れると同時に流速分布も計測できるという粘弾性流体可視化計測実験のための実験条件, 流れの条件を見つけることに成功した. つぎにミセル構造を可視化する方法として提案する「偏光共焦点観察法」という新しい3次元イメージングシステムの検討とそのプロトタイプシステムの構築を試みた. 偏光光学素子を現在の共焦点システムに組み込んだテスト偏光共焦点観察システムを構築し, とくに照明光源装置の選定を中心に偏光共焦点システムの可能性を調査した. その結果, 共焦点スキャナと, 強力な白色の照明光源, 偏光板, 1/4波長板, 偏光ビームスプリッターを組み合わせることで, 偏光共焦点観察が実現できることが確認できた.
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Research Products
(5 results)