2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20760111
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
山口 浩樹 Nagoya University, 大学院・工学研究科, 講師 (50432240)
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Keywords | 高クヌッセン数 / 数値解析 / 境界条件 / 表面相互作用 / 非平衡現象 |
Research Abstract |
本研究では, 高クヌッセン数流れの境界条件となる気体分子と固体表面の相互作用について, 熱流動場に与える影響を明らかにすることを目的とした. 高クヌッセン数流れは原子・分子の流れとして考える必要があるものの, 熱流動場全体に対する境界条件の影響という観点では統計的な量が重要となってくる. そこで, 相互作用の程度を表現する経験的パラメータである適応係数の取得及び解析を試みた. まず, エネルギー適応係数の取得実験を行った. 自由分子流領域となる高クヌッセン数流れを利用し, 金属フィラメントのジュール加熱を利用して気体分子へのエネルギー移動量を求めるLow Pressure法を採用し, 遷移流領域までの拡張を適用した. その結果, 非常に簡便な実験系を用い, 白金表面において窒素, 酸素, アルゴンに対するエネルギー適応係数を広い表面温度範囲に対して取得することに成功した. そして, 既存の結果とも良い一致を示すことを確認した. 次に, 同様の実験手法をシリコン表面に対しても適用したところ, いくつかの問題が明らかとなり, 実験手法の改良が必要である. また, 運動量適応係数やエネルギー適応係数に関して, マイクロ流路を利用して導出及び検証を試みている. まずは高クヌッセン数流れで広く利用されているDSMC法を用いて実験系の設計を行い, マイクロ流路を利用して適応係数に対する知見を取得可能であることが数値解析より求められた. また, 分子動力学法を用いて, 金属表面に対する散乱形態の解析を解析した. そして, 統計的な平均量である適応係数と分子線散乱実験のような入射条件が厳密に指定された場合の散乱形態との間の関係性について解析を行い, 定性的な予測がある程度可能なことを示した. なお, この関係性の解析に関しては, さらに一般化を行う必要がある.
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Research Products
(6 results)