2008 Fiscal Year Annual Research Report
LESにおける乱流中のコヒーレント構造に基づく壁モデルの検討
Project/Area Number |
20760119
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
小林 宏充 Keio University, 法学部, 准教授 (60317336)
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Keywords | 流体 / 計算物理 / 流体工学 |
Research Abstract |
本研究は、乱流中の普遍的なコヒーレント構造をもとに、乱流モデルの一種であるLarge Eddy Simulation(LES)に適用する壁モデルの開発を目的とする。LESは有望であるが、壁近くまですべてLESで計算を行うと計算時間の増大を招き、工学的に利用される高レイノルズ数の計算は不可能である。そこで, 壁モデルが必要となるが, その開発のために, 以前提案をしたコヒーレント構造関数の利用を考えた。コヒーレント構造関数は, 渦の抽出によく用いられる速度勾配テンソルの第2不変量を,その速度勾配テンソルの大きさで無次元化したもので, 最大値1, 最小値-1をとる。そのコヒーレント構造関数の確率密度分布や平均値などの統計量を一様等方性乱流および平板間チャネル乱流の直接計算を用いて調べ、以下の結果を得た。一様等方性乱流において, コヒーレント構造関数の確率密度分布はレイノルズ数に依らず, 良く一致し, 平均値もレイノルズ数の増加とともにある値に収束することが分かった。また, コヒーレント構造関数の値が正値を取る体積分率は一定値に収束することが分かった。チャネル乱流においても, コピーレント構造関数の確率密度分布とその平均値は, 壁座標において壁からの距離に応じてレイノルズ数に依らない結果が得られた。また, チャネル中央での確率密度分布は一様等方性乱流の分布とせん断が強いところおよび渦度が強いところで少し分布が異なることがわかり, チャネル中央の流れは一様等方性乱流とは異なる統計量となることが分かった。
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Research Products
(4 results)