2010 Fiscal Year Annual Research Report
液体金属中キャビテーションに関する理論シミュレーション研究
Project/Area Number |
20760122
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
井田 真人 独立行政法人日本原子力研究開発機構, J-PARCセンター, 研究職 (60391356)
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Keywords | 気泡 / キャビテーション / 液体金属 / 壊食 / エロージョン / 流体工学 / 気泡間相互作用 / キャビテーション初生 |
Research Abstract |
本年度は簡易な多気泡モデルやキャビテーションの発生過程に関する更なる検討、そして、マイクロバブルが液体水銀中のキャビテーション初生に与える効果についての追加検討を行った。 簡易多気泡モデルについては、気泡間相互作用を記述する平均場理論的な追加項について、気泡核群が受ける圧力分布を変えた場合の理論的導出や、第一原理的な数値解析との比較による理論的な検証を行った。しかし、実験機器の重い故障があり、実験による検証を行うことはできなかった。 キャビテーションの発生過程については、これまでとは異なり極端に理想化された幾つかのケースを考え、キャビテーション気泡同士の相互作用がキャビテーションの発生を補助する場合があることを見出した。 J-PARC中性子源の開発の一部として行っている「マイクロバブル注入法」の検討については、液体水銀中に流し込んだマイクロバブルがキャビテーション初生に与える効果について、更に検討を進めた。圧力波解析コードにより気泡流中の圧力波を求め、気泡核がその圧力波に対してどのように反応するかを評価した。それにより、正側の圧力変動に対しては抑制効果の薄い少量のマイクロバブルであっても、負側の圧力変動に対しては大きな効果を持ち得ること、すなわち、キャビテーション初生に強い影響を与えうることを見出した。これはこれまでのマイクロバブル注入法に関する議論では見過ごされていた観点で、同手法に新しい視点からの最適化指針を与えるものである。
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Research Products
(6 results)