2008 Fiscal Year Annual Research Report
世界最高レイノルズ数のDNSによる剥離を伴う乱流現象に対する予測精度の高度化
Project/Area Number |
20760125
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Research Institution | Japan Aerospace Exploration Agency |
Principal Investigator |
阿部 浩幸 Japan Aerospace Exploration Agency, 研究開発本部数値解析グループ, 研究員 (80358481)
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Keywords | 機械工学 / 流体工学 / 乱流 |
Research Abstract |
高レイノルズ数における剥離を伴う複雑乱流に対する予測精度の高度化は,航空宇宙分野の重要な研究課題の一つである.本研究では,1)世界最高レイノルズ数の剥離を伴う平板乱流境界層の直接数値シミュレーション(DNS)の実施及び乱流統計量・乱流構造の解析,2)乱流モデルの開発に資するDNSデータベースの構築・WEBサイトでの公開,3)データベースに基づいた既存乱流モデルの性能評価,を通じて,DNSによる剥離を伴う乱流現象の予測精度の高度化を行うことを目的としている.平成20年度は,剥離を伴う乱流境界層DNSの並列計算コードの開発をゼロ圧力勾配の乱流境界層に対して進めた.引き続き,剥離流のコードへの拡張を進め,次年度より本格的に計算を実行する予定である.一方,本年度はDNSコードの開発段階にあたったので,研究代表者が今まで実行してきた平行平板間乱流及び乱流熱伝達のDNSの基本的な乱流統計量データのWEBにおける公開(URL : http://www.iat.jaxa.jp/db/index.html)及びDNSデータを用いた温度場2方程式kθ-εθモデルの検証を進めた.後者のkθ-εθモデルにおいては,レイノルズ数効果の再現性がDNSデータにより検証されていない問題があったが,DNSデータの解析により,温度散逸率の輸送方程式においてはレイノルズ数依存性を再現する減衰関数の開発が必要なことを示した。また,kθ-εθモデル構築のベースとなった速度場とのアナロジーについても検討し,壁面近傍における速度場と温度場の相似性はプラントル数が1に近い場合でも必ずしも完全ではなく,圧力項に関連した非相似性が存在することを明らかにした.
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