2008 Fiscal Year Annual Research Report
気体燃料噴射率計開発ならびに間欠気体燃料噴流の発達特性解明
Project/Area Number |
20760127
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
荒木 幹也 Gunma University, 大学院・工学研究科, 准教授 (70344926)
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Keywords | 気体燃料 / 内燃機関 / 流量計測 / 間欠噴流 / 新燃料 |
Research Abstract |
水素, 天然ガスといった気体燃料を, 自動車用燃料として適用する動きが進んでいる. 燃料噴射弁は, 自動車エンジンのキーパーツである. 電磁弁・ピエゾアクチュエータ等を内蔵し, 数百ナノ秒-数ミリ秒の極短期間で所定量の燃料を噴射する. 筒内直接噴射圧縮点火エンジンの場合では, エンジンの1サイクル中に3-7回にわたる多段噴射を行うなど, 非常に精密な制御が想定されている。燃料噴射弁から噴射される燃料の, 単位時間当たりの流量は「燃料噴射率(単位 : cc/s, g/s)」と呼ばれる. 燃料噴射率は, 噴射弁の開弁過渡期間, 定常噴射期間, 閉弁過渡期間で極めて急激に変化する. 燃料噴射率を計測することで, 噴射弁の基本性能の把握が可能となる. また燃料噴射率は, 燃料到達距離微粒化(液体燃料の場合), そして燃焼過程に大きな影響を及ぼすため, エンジン設計において極めて重要な要素である. しかしながらこれまで, 「気体燃料」の噴射率計測は非常に困難とされていた. 平成20年度は, 研究代表者がこれまで独自に開発を進めてきた「気体燃料噴射率計」の計測精度向上について検討を行った. (i)ヘリウム(水素を模擬)を用いた場合の計測精度検討, (ii)実機同様の多段噴射を行った場合の計測制度検討, (iii)計測管内に形成される境界層が計測制度に及ぼす影響の検討を実施した. その結果, ヘリウムや多段噴射を適用しても計測精度はこれまでと同程度であり, 実機で想定される様々な条件下で気体燃料噴射率計が有効に使用できることが確認された. またこれまでの研究から, 気体燃料噴射率計は流量を2〜3%過小評価することが確認されていた. 計測管内に形成される境界層による見かけの断面積減少分を見積もったところその値は同じく2~3%であり, 境界層の発達が誤差の主要な原因であることが確認された. 以上から, 気体燃料噴射率計の実用化への道筋がついたと考えている.
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