2009 Fiscal Year Annual Research Report
発熱分布を制御した触媒燃焼の利用によるジメチルエーテルのマイクロ改質
Project/Area Number |
20760132
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
齋藤 元浩 Kyoto University, 工学研究科, 助教 (90314236)
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Keywords | 燃料改質 / 触媒燃焼 / ジメチルエーテル / 水素生成 / 熱収支 |
Research Abstract |
本研究ではジメチルエーテル(dimethyl ether, DME)の改質による水素生成に関する実験を行った.DMEは無毒性で可搬性に優れており,改質器の小型化・軽量化に成功すれば,携帯機器用の電源として小型の燃料電池システムへの燃料供給への応用も考えられる. 本研究で実験を行う改質器は二重管型の構造をしており,外側流路においてDMEの水蒸気改質を,内側流路でその熱源となる触媒燃焼を行う.改質の効率を高めるために外側流路にはCu-Feスピネル酸化物とγアルミナの混合触媒を充填している. これまでは,改質用触媒・触媒燃焼用触媒とも100mmの長さで行ってきたが,温度分布から流路の後半部分は反応に寄与していないと推測される.流路が過剰に長いことは熱損失の増大を招き,触媒燃焼を維持するために最高温度を高くせざるをえない原因となるため,できるだけ短くすることが望ましい.そこで,有効な反応長さを求めるべく,改質用触媒を充填する量を変化させて実験を行った.その結果、50mmが最適であるという結果を得た. 次に温度分布の制御ができるように改質器の構造を変更した.これまでは内側流路の内管に触媒燃焼を担持していたがその方法では担持領域に濃淡を付けることが困難であるため,温度分布を変えることができるパラメータは混合気の流量と濃度のみであった.今回は外側に触媒が担持された棒を挿入する構造にした.4パターンの触媒担持棒を交換して挿入し実験を行うことにより異なる発熱分布を試すことができる.その結果,適度な温度分布を実現し一酸化炭素やメタンの生成を抑制しながらも高いDME転化率を達成した.
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