2009 Fiscal Year Annual Research Report
反射型近赤外分光法を用いた燃料電池電極内水分・温度の同時計測と排水の能動制御
Project/Area Number |
20760134
|
Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
西田 耕介 Kyoto Institute of Technology, 工芸科学研究科, 講師 (00397043)
|
Keywords | 熱工学 / 燃料電池 |
Research Abstract |
固体高分子形燃料電池(PEFC)は,次世代の自動車用動力源,定置型分散電源,携帯用電源として早期の実用化,普及が期待されているが,高性能化のために解決すべき課題は多い.中でも高電流密度化が要求されるPEFCにおいて,フラッディング等の水分管理の問題は極めて深刻であり,カソード電極内の水分輸送現象の基本的理解は特に重要とされている. そこで本研究では,反射型近赤外吸収分光法を応用することにより,一定時間運転させたPEFCの触媒層(CL)及びガス拡散層(GDL)の界面における凝縮水量を定量的に算出する計測評価手法を確立し,セルの運転条件やGDLの撥水性,マイクロポーラス層(MPL)の有無が,カソード側CL/GDL界面での水分の凝縮・貯留にどのような影響を与えるのかを明らかにした.さらに,カソード流路内の液水挙動の可視化観察も行い,水分の排水特性について検討を行った. その結果,親水性GDLを用いた場合,カソード側CL/GDL界面で貯留する凝縮水の液膜厚さが30μm以上に達すると,反応場への酸素の供給が困難となり,フラッディング現象によるセルの著しい出力低下が生じることが明らかになった.一方,GDLの撥水化処理は,カソードCL/GDL界面でのフラッディングの抑制に十分な効果があるが,高機水GDLを採用した場合は,CLからGDL内への液水の浸入・透過が抑制されているため,カソードCL/GDL界面での水分量は多くなる傾向がある.また,MPLの導入により,カソードCL/MPL界面には液膜は全く形成されず,カソード側CLで生成した凝縮水は迅速にセパレータ流路側へ排出されることが示された.
|
Research Products
(3 results)