2008 Fiscal Year Annual Research Report
クラスター蒸着による機能性炭素薄膜のテーラーメイド創成に向けた解析
Project/Area Number |
20760135
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山口 康隆 Osaka University, 大学院・工学研究科, 准教授 (30346192)
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Keywords | 分子動力学法 / 衝突 / 薄膜生成 / ハイブリッド / 計算加速 |
Research Abstract |
クラスター蒸着によるボトムアップ式薄膜生成法の開発を目的とした, 分子動力学法とTight-Binding法を組み合わせた高精度シミュレーションに関連し, ナノスケールの衝突に際するエネルギーの伝達経路と連続的蒸着, 衝突の影響を明確化にするため, 分子動力学法による単一衝突過程の解析を行った. またTight-Binding手法の妥当性の確認, および酸素反応の導入として, 関連するカーボンナノチューブと酸素反応を, 実験的結果による確認が可能な系の題材として採り上げ研究を行った. 前者については, 本課題での焦点である低密度アモルファス炭素薄膜に加え, ダイヤモンド, グラファイトなど炭素系薄膜への単一クラスターの衝突についてシミュレーションを行い, 特にグラファイト表面についてはサイズ選別したクラスターを用いた系統的な実験結果との比較を行うことで, 高エネルギー領域でのシミュレーションの妥当性が確認された(論文1, 2, 学会発表1-3, 6-7). 加えて連続的蒸着に際する薄膜表面の影響範囲, およびエネルギー領域をシミュレーションにより明らかにした(学会発表5). また後者については, 資料に記載の研究発表(学会発表4)に引き続き, 発展段階としてハイブリッドシミュレーション系への拡張を行っている. これは, 酸素と衝突しない部分について古典分子動力学系で取り扱い, 古典的取り扱いでは計算精度に問題が生じると考えられる酸素との反応部についてはTight-Binding法によるシミュレーションを行うものであり, エネルギー保存の確認を含めた計算精度の検証段階である.
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Research Products
(9 results)