2009 Fiscal Year Annual Research Report
ハイブリッド風洞による複雑熱流動現象の高速・高精度解析と最適化
Project/Area Number |
20760136
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小田 豊 Osaka University, 工学研究科, 助教 (50403150)
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Keywords | 熱流体計算 / 乱流伝熱 / 数値シミュレーション |
Research Abstract |
本研究では,風洞実験等によって得られる壁面圧力変動や速度変動の時系列計測データを熱流動数値計算に適切にフィードバックしながら計算を進めることによって,風洞実験や実機において不可避あるいは必然である外乱の影響を加味した形で,ガスタービン翼冷却やコンパクト熱交換器などで見られる複雑乱流を伴う乱流伝熱場の伝熱メカニズムの解明を行うことを目標として,高精度かつ低コストな熱流動解析手法の構築を目指して研究を行った.2年目にあたる最終年度は,1年目に構築した一般座標系に基づくLES解析コードを拡張して,風洞実験で取得した解析領域上流における主流および境界層内の乱れ性状(レイノルズ応力分布,乱れの速度や時間のスケール,スペクトルなど)を適切に再現可能な入口変動流速の生成手法を新たに組み込んだ.このEFD/CFDハイブリッド解析技術の現実流れ場における適用性を検討するため,ガスタービン翼を模擬した対称翼前縁の端壁面近傍に生じる馬蹄渦とそれに伴う乱流熱伝達現象を対象として,風洞上流部に設置した乱流格子の有無による主流乱れの強弱が,馬蹄渦の非定常挙動ならびにそれに伴う非定常熱伝達場に与える影響について,本ハイブリッド解析技術を適用した数値解析と実験結果との比較検討を行った.その結果,風洞実験におけるPIV計測で得られた馬蹄渦の時間平均渦芯位置やその非定常挙動,ならびにナフタレン昇華法で得られた時間平均熱伝達率の特徴的な分布,また,それらに対して乱流格子の有無が及ぼす影響が,本ハイブリッド解析技術によって定量的に再現できることが明らかとなった.この成果については第6回乱流熱物質輸送国際会議や国内の講演会等で報告を行った.
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