2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20760141
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
達本 衡輝 Japan Atomic Energy Agency, J-PARCセンター・物質生命科学ディビジョン・中性子源セクション, 研究員 (70391331)
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Keywords | 液体水素 / 熱伝達 / 超伝導機器冷却 |
Research Abstract |
液体水素は、クリーンなエネルギー源である水素ガスの大量輸送や大量貯蔵の手段だけでなく、優れた冷却特性を有しているために、高温超伝導体やMgB_2超伝導体の新しい冷媒としても注目されている。しかしながら、広範囲の圧力条件下における液体水素の浸漬・強制冷却特性に関する研究は殆ど行われていない。そこで、本研究では、これまでわかっていない液体水素の冷却特性に関する基礎データを集積するとともに、その物理現象の解明を目的としている。 昨年度は、既存の液体窒素用の実験装置を改造し、液体水素の強制流動を発生できる実験装置を製作した。本実験装置は、高圧ガス保安法に準拠して設計・製作を実施した。水素に対する安全対策として、電気機器は不活性ガスである窒素ガスにより陽圧に保たれたブランケット容器の中に収納することにした。ブランケットの圧力は常時監視し、異常が起こった場合には、電源遮断、および、水素を迅速に放出するインターロックを構築した。また、液体水素実験時において、十分な安全距離を確保するために、全て遠隔操作可能な計測・制御システムも開発した。 本年度は、まず、比較的取り扱いが容易な液体窒素を用いた低温試験を実施し、熱流動実験システムの健全性を確認するとともに、計測・制御システムを完成させる。さらに、液温、圧力(大気圧から臨界圧まで)を広範囲に変化させ、平板発熱体を用いて定常・非定常熱伝達の実験データの集積を行う。
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