2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20760141
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
達本 衡輝 独立行政法人日本原子力研究開発機構, J-PARCセンター, 研究職 (70391331)
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Keywords | 液体水素 / 熱伝達 / 超伝導機器冷却 / 核破砕中性子源 |
Research Abstract |
液体・超臨界圧水素は、核破砕中性子源用の減速材やロケットの燃料としてだけでなく、クリーンエネルギーである水素エネルギーの大量輸送・貯蔵手段や高温超伝導体の新しい冷媒としても期待されている。しかしながら、液体水素の熱流動特性に関する知見は殆どなく、そのデータの重要性は産業界からも指摘されている。そこで、本研究では、液体水素による冷却システムの設計指針の確立、および、その要素技術開発に必要不可欠な液体水素の熱流動特性データを集積することを目的としている。 液体水素の浸漬冷却特性では、大気圧から1.1MPaまでの圧力範囲における飽和温度での液体水素の定常熱伝達、および、臨界熱流東を測定した。臨界熱流束は、0.3MPaまで圧力ともに大きくなるが、それ以上で、臨界熱流束は減少する結果が得られた。臨界熱流束時の発熱体表面温度は、圧力上昇に伴って上昇するが、0.6MPaより高い圧力では水素の臨界温度に等しくほぼ一定になっており、液体水素の場合、0.6MPa以下の圧力領域では、水力的不安定性により核沸騰熱伝達の限界が決定されるが、0.6MPa以上では、水力的不安定性が現れるより前に、発熱体表面温度が臨界温度に到達することにより核沸騰の限界が決定されることがわかった。 液体水素の浸漬冷却特性では、実験槽圧力を0.4~1.0MPaとし、サブクール度(<10K)の条件下で、内径6mmと3mmの垂直円管発熱体に円管試験流路に直流電流を流して加熱し、強制流動下における熱伝達特性を測定した。核沸騰限界熱流束の圧力、温度、流速、形状の依存性を明らかにした。強制対流の場合、発生気泡の流れによる輸送限界が限界熱流束を決めていることがわかった。
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Research Products
(3 results)