2009 Fiscal Year Annual Research Report
超音波干渉に基づく仮想音源生成システムの開発と能動騒音制御への適用
Project/Area Number |
20760147
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
小松崎 俊彦 Kanazawa University, 機械工学系, 准教授 (80293372)
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Keywords | 機械力学・制御 / 能動騒音制御 / 指向性 / 静音化 / 超音波 |
Research Abstract |
本研究では,超音波の非線形干渉による可聴音生成原理に基づき,2つの独立な放射器から周波数の異なる超音波をそれぞれ放射し,互いの音軸を交差させることによって空間内の任意点に局在性可聴音波を生成するシステムの構築について検討した.さらに,本システムを利用して,周辺空間を乱すことなく局所的に静音化する能動騒音制御システムの実現可能性について検討することを目的とした. 本年度は,平成20年度に製作及び性能評価を実施した超音波放射器2つを用いて,各々周波数の異なる超音波を直線状に放射し,それらの干渉によって,空間内任意点に可聴音を生成可能なシステムの構築について検討を行い,超音波放射器の放射音圧レベル,周波数差および放射器の位置関係をパラメータとして,空間に形成される仮想音源領域の大きさと再生可聴音レベルに関する理論予測および実験計測を実施した.音軸が30度,45度及び90度の角度で交差するよう放射器を配置し,差周波数を500~2kHzの可聴域に設定した2つの異なる超音波をそれぞれの放射器から生成して干渉音場計測を行った.可聴音再生領域の大きさを検討した結果,理論的予測とほぼ同様,音軸の交差角度が小さいほど干渉点後方に縦へ広がりをもった干渉域が形成され,反対に角度が大きくなるほど局所性が高まることが確認された.また,差周波数が大きいほど干渉域は小さい傾向が見出された.ただし可聴音の再生音圧レベルは1次超音波に比べ著しく小さく,能動騒音制御へ適用するためには人体への影響も考慮しながらより効率的な生成方法を考える必要があり,今後引き続き検討する予定である.
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