2008 Fiscal Year Annual Research Report
非ホロノミック拘束を利用した巧みな物体マニピュレーションを実現する運動制御
Project/Area Number |
20760148
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
中島 明 Nagoya University, 大学院・工学研究科, 助教 (70377836)
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Keywords | 非ホロノミック / 多指ハンド / ソフトフィンガー |
Research Abstract |
本研究では, ロボットと物体の接触状態の「非ホロノミック拘束」と呼ばれる性質を利用して, より巧みなマニピュレーションの実現を目指している. そのため, 以下の課題に取り組んでいる. 【1】多指ハンドによる物体の把握・操り問題における「指先の転がり運動の非ホロノミック性」を用いた広範囲な操りを実現する制御方法の構築 【2】ロボットマニピュレータによる物体の押付け搬送問題における「物体の回転モーメントの釣合いの非ホロノミック性」を用いた大域的な物体位置決め制御方法の構築 【1】について, 多指ハンドによる把握・操りにおいて非ホロノミック性を利用するためには, 指と把持物体のロバストな接触を確立する必要がある. そのため, 指先を摩擦係数の小さい剛体ではなく, 変形により接触面積が確保できるソフトフィンガーによる把持接触を解析・モデル化した. そして実験による妥当性を検証し, モデルの有効性を立証した. また, それによる安定な把持・操りの制御則を導出した. これにより, 安定な把持の基で, 非ホロノミック性を利用した制御が可能となる. 具体的な運動計画については次年度の課題である. 【2】について, 物体を操るためには, 物体と地面の摩擦は単なる邪魔なものではなく, 制動力として利用できる有用なものでもある. したがって, 摩擦状態が操りに大きく影響することから, 単純なクーロン摩擦ではなく, 最大力不等式とLimit Surfaceによる詳細な解析を行った. 今後は, 軌道計画に摩擦モデルを導入していく予定である.
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