2008 Fiscal Year Annual Research Report
減衰の係数励振を利用したセミアクティブ動吸振器の開発
Project/Area Number |
20760149
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
射場 大輔 Kyoto Institute of Technology, 工芸科学研究科, 助教 (10402984)
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Keywords | 機械力学・制御 / 免震 / 制震 / 制御工学 / 耐震 |
Research Abstract |
本研究では, これまでに申請者が提案した「減衰の係数励振によって任意の振動数で共振を誘起する手法」を動吸振器に適用することで, 新しいセミアクティブ制振手法を提案することと,それについての基礎的な検証を解析と実験を通して行うことを目的としている. 研究実施計画では, 平成20年度においては1自由度振動系での実験と可変減衰型動吸振器の開発と2自由度系での数値解析を予定していたが, 可変減衰型動吸振器を設置した2自由度振動系の数値解析を進める中, 当初の計画を変更し, 1自由度振動系における減衰係数励振によってダンパが発生する力の働きの解明に研究の中心をシフトした. これは通常共振が発生する際には外部の振動源から効率的にエネルギが流入する状態が構成されており, 固有振動数以外の変位入力と減衰係数の励振によって発生する共振も同様のことが仮定でき, またこのエネルギ源が係数励振によって自由に利用できるからこそ共振を起こしている振動系の振幅制御が行えることから, 減衰係数励振を伴う一番単純なモデルにおける振動系のパワーフロー解析の必要性がでてきたためである. このパワーフロー解析を行うことで制振で利用できるエネルギ源が明らかになり, 2つの振動数が混在する入力によって発生する1自由度振動系の定常応答を改善する制御方法および定常入力を受ける1自由度振動系に発生したインパルス応答の制御を行うための手法が確立できた. これらの制御手法は, 入力の情報が既知であるとした場合のオープンループでの制御方法であり, 数値計算においてその有効性を確認できた.
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Research Products
(3 results)