2010 Fiscal Year Annual Research Report
自動車の自動隊列走行に向けた車群安定性向上に関する研究
Project/Area Number |
20760151
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Research Institution | Nippon Institute of Technology |
Principal Investigator |
鈴木 宏典 日本工業大学, 工学部, 講師 (20426258)
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Keywords | 車群 / 自動隊列走行 / 追突安全性 / 安定性 / 安全性 / 車両制御 / 交通工学 / 衝撃波(ショックウェーブ) |
Research Abstract |
本研究では、複数の追従走行を行う車両同士(以下、車群)が全体として安全性や安定性を向上させることを念頭におき、今年度は、従来提案されている手法とは異なる交通工学のショックウェーブ理論を応用して車群の安全性を評価する試みを行った。 まず、交通工学分野で定義されているマクロ交通流におけるショックウェーブの伝搬速度を、ミクロ交通流としての追従状態に拡張して定式化し、これを追従ショックウェーブと定義した。追従ショックウェーブの伝播速度は、3台の追従車両における2台目と3台目の車頭距離の相関で重み付けされた相対速度であることを研究代表者は既に理論的に示している。この伝搬速度は、車頭距離の逆数と車間時間の逆数をXY平面上に表したとき、2台目車両と3台目車両の相対的な状態を傾きで示したものである。 次に、追従ショックウェーブの伝搬速度が車群安全性評価に適用可能かどうか、を数値シミュレーションにより検証した。数値シミュレーションの結果、提案した手法は、3台の車群が今現在おかれている瞬間的な安全性を表すと同時に、3台の車群が今後どのような状態に遷移するかについても、視覚的かつ定量的に把握可能であることがわかった。さらに、現在の車群追従状況は追従車が意図的に招いたものか、先行車の状況によってやむを得ずに生じたものか、の区別も判断できる手法であることが示された。 提案手法は、車群を構成する車両が増加しても計算量を増大させることなく、車群安全性を評価可能である。今後車群安全性を向上する車両制御を検討する上でもその評価関数として利用可能であると考えられ、得られた成果の意義は大きいと考えられる。
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