2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20760153
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Research Institution | Japan Aerospace Exploration Agency |
Principal Investigator |
大槻 真嗣 Japan Aerospace Exploration Agency, 宇宙科学研究本部, 助教 (50348827)
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Keywords | 脱力運動 / 非駆動関節 / 切換制御 / 運動と振動の制御 / 大域的最適化 / 2自由度制御系 / マニピュレータ / 定性的評価基準 |
Research Abstract |
本研究では,人間の腕のように自然な運動をするマニピュレータの実現を目指している.そして,腕の筋肉が弛緩している状態を「脱力」と呼び,新たな関節機構によりこの「脱力」と通常駆動を切り換えることで,「必要最小限の力」,「必要最小限の時間」,「必要最小限の距離」を達成し,かつ高精度な位置決めも可能なマニピュレータを実現することを目的とした. この研究を通じて明らかにすべき点が3つある.第一に関節機構自身が製作可能かどうか,第二に非駆動と駆動を切り換えることで本当に任意の二点間の移動が高効率になるのか,最後にシステム要件にある自然な動きと機械の高精度な動き,これらが一連の動きの中で直列的に実現されているかどうかである.本年度は主に関節機構の製作に取り組んだ.具体的には,基本構造の開発と検証として,関節センサ・アクチュエータ・減衰機・構造と関節自由度の検討,関節の要素部材の設計と調達,単一関節機構の作成・駆動試験,関節部の遊びの確認と制御への影響調査,単一関節の制御方法の確立,複数の関節機構の結合による簡易マニピュレータの製作準備を行った. 結果として,まず,受動的に非駆動と駆動の切り替えが可能な関節要素を新規開発し,また,既製品の受動関節要素部材の調達も終了した.ただし,新規開発の関節は小型化を行う必要があり,21年度にその改良を行う.また,単一関節の制御方法として,フィードフォーワード,フィードバック併用型の2自由度制御系の設計ならびに実装方法を確立し,シミュレーションにてその有用性は確認された.実験による検討へ向けて,モータやマニピュレータ部材の選定を行い,コントローラハードウェアとして既存の制御機器,電力増幅器を使用する準備を行った.
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