2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20760163
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
上木 諭 Gifu University, 産官学融合本部, 中核的研究機関研究員 (50467213)
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Keywords | 柔軟指 / 多指ロボットハンド / 物体操作 |
Research Abstract |
本研究では, 柔軟指を有する多指ロボットハンドによる把持物体操りのための理論的に安定性の証明が可能な制御則の構築を目指し, 当該年度は1)柔軟指の数学モデルの検討と動的モデルの導出, 2)柔軟指の動的モデルを用いた制御則の構築, 3)柔軟指の製作と実機による実験, を行った. 従来研究において提案されていたモデルは放射バネが分布したモデルと平行にバネが分布したモデルの2つのモデルが理論的に導出されていた. これらのモデルでは, 理論的にバネによる弾性力を導出し, そのモデルに減衰項を加えていた. しかしながら, 3次元空間で安定性の証明が可能な動的な制御則考えた場合に制御則の安定性の証明が困難であることが分かり, 半球型柔軟指モデルに理論的に導出した慣性項を加えたモデルを導出した. 導出した数学モデルを用いて, 目標位置が定数で与えられた場合の制御則に対してリアプノフ関数がどのようになるかを検討した. その際に, 剛体指では必要のない柔軟指の変形エネルギがリアプノフ関数に加り, 制御則にも柔軟指のモデルに基づく入力が必要であることを発見した(SICE SI2008で発表). 次に実機による物体操りの実験のために, 3種類の硬度で柔軟指を製作し, 基本的な柔軟指の特性を計測した. 製作した半球型柔軟指を有する多指のロボットハンドによって, 実機による把持物体操りの実験を行った(実験結果はRobomech09で発表予定). 柔軟指を用いたロボットハンドの研究は近年盛んに行われている. しかしながら, 三次元空間における多指ロボットハンドの物体操りの研究において柔軟指のモデルを動的モデルとして扱い理論的な解析を行ったのは本研究が最初である.
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Research Products
(1 results)