2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20760164
|
Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
安藤 大樹 University of Fukui, 大学院・工学研究科, 助教 (60377819)
|
Keywords | コンプライアントメカニズム / ロボットグリッパ / ソフトメカニクス / 柔軟把持機構 |
Research Abstract |
本研究の目的は, 単純かつ小形な柔軟把持機構の駆動力から把持力への変換効率を増大させ, アクチュエータをも含めた小型化を達成し, エネルギー効率および制御性の面で不利な空気圧駆動式グリッパに代わる小型電動グリッパを実現することである. 本年度は, (1)柔軟把持機構に対して小さい駆動力で大きな把持力を発生させるための新たな境界条件の導入, (2)新たに導入する境界条件を表現可能な理論モデルの構築の二つを主に行った. (1)については, ヒンジ支点の導入と変形拘束点の導入の二つを検討した. ヒンジ支点の導入については, 昨年度構築した柔軟把持機構の理論モデルに新たな境界条件としてヒンジ支点を導入することにより, ヒンジ導入前と同じ駆動力でより大きな把持力を発生することを確認した. 検証実験からも実験値と理論値の良い一致を確認した. また変形拘束点の導入については, 柔軟把持機構の柔軟な把持指が対象物と接触した後に把持力の増加に伴い外側に膨らむように変形することに着目し, この弾性変形を拘束する条件を変えることにより, 変形拘束条件の違いによる駆動力と把持力の関係の変化を調べる実験を行った. 実験結果から, 駆動力の増加に伴い増加する把持力の増加曲線が, 変形拘束条件により異なることを確認した. さらに実験結果から, 駆動力の増加に対して把持力が急激に増加する条件があることを確認した. これらの成果は, 柔軟把持機構を採用した電動グリッパをこれまで以上に小さいアクチュエータで駆動することを可能にする. (2)については, 柔軟把持機構を回転バネで接続された多数のリンクでモデル化した理論モデルを構築した. 理論モデルを用いて柔軟把持機構の変形形状をシミュレーションした結果は, 検証実験において変形形状を計測した結果と良く一致することが確認された. この成果により, 新たに導入した境界条件も含めた柔軟把持機構の統合的な設計が可能となった.
|