2010 Fiscal Year Annual Research Report
下肢運動障害者の歩行補助ロボットにおける転倒予防制御に関する研究
Project/Area Number |
20760165
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
香川 高弘 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助教 (30445457)
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Keywords | ウェアラブルロボティクス / バイオメカニクス / 動作計測 |
Research Abstract |
昨年度に開発した歩行補助ロボット用の床反力センサを応用し,本年度は段差歩行および傾斜面上での立位維持における転倒防止の制御システムの開発を行った. 歩行補助ロボットにおける段差歩行の実現に向けて,転倒予防に関する3つの要素技術を開発した.(1)スイング脚が段差と衝突しないように爪先と足部の角度の軌道を決定する方法を開発した.(2)着地時に作用する床反力の作用中心から段差端に対する接地時の足部の位置を検出する方法を開発した.(3)離脚時の重心位置と速度の条件制約として安定な動作パターンを生成する方法を開発した.上記のシステムを歩行補助ロボットの制御システムに組み込んで動作試験を実施した.動作試験から,歩行補助ロボットを用いて転倒することなく昇段・降段動作を実行できることを確認した. 傾斜面上での立位維持について,ロボットの関節角度を傾斜勾配に応じて調整しなければ重心が支持基底面から外れて転倒する.そこで,ユーザの自発的な動作による足底の圧力中心位置と垂直床反力の変化から,傾斜面上で直立姿勢が維持できるよう足首関節を調整する制御システムを開発した.開発した制御システム動作試験を行い,使用者が傾斜面上で直立姿勢となるように足首角度を調整出来ることを確認した.また,腕にかかる力を解析した結果,足首を調整しない場合と比較して開発したシステムで足首を調整したほうが腕にかかる力が大幅に小さくなることが分かった.
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