2009 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト指の感覚受容器を模倣したセンサ素子を持つ柔軟ロボット指先の開発と触感覚の実現
Project/Area Number |
20760171
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
村上 剛司 Kyushu University, 大学院・システム情報科学研究院, 助教 (80380682)
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Keywords | 知能ロボティックス / 触覚センシング |
Research Abstract |
人間の指先は硬い爪と骨格,および柔軟な皮膚で構成されており,作業内容に合わせて指先の各部位を使い分けることで器用な操作を実現している.また,人間の手の器用さは繊細な触感覚にも支えられている.解剖学的なアプローチから,指先内部には皮膚の変形に応答して発火する触覚受容器(メルケル細胞,ルフィニ終末,マイスナー小体,パチニ小体)が多数存在しており,物体の表面特性や接触状態などの多様な触情報が,この触覚受容器の働きにより得られているとされている.しかし,触覚受容器の出力が具体的にどのように処理されて触情報が得られているかは明らかではない. 本研究では,人間の指先が発揮する器用さをロボット指先で実現することを目指し,人間の指先の構造と,触覚受容器の機能を模擬したセンサ素子を持つロボット指先型触覚センサを開発した.開発したロボット指先は,柔軟被覆と爪および内殻から構成されており,指先内部に触覚受容器を模したセンサ素子が埋め込まれている.センサ素子は触覚受容器の応答特性に近い特性を持つと期待できる歪みゲージとPVDFフィルムを用い,PFVDフィルムは内殻に,歪みゲージは爪裏に配置した.実験を通して指先表面の変形刺激を指先内の各部位に埋め込んだセンサ素子で計測できること,および,PVDFフィルムと歪みゲージの特性はそれぞれ触覚受容器に対応することを確認した.さらに,開発したロボット指先で実現可能な触感覚機能として,Stick-Slip振動を用いた滑り検出機能をセンサ素子の出力を用いて実現できることを確認した.開発したロボット指先を用いることで,多関節多指ロボットハンドの作業能力を向上できる.
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