2008 Fiscal Year Annual Research Report
ロボット機構の運動学の視点に基づくタンパク質の内部運動特性の解析
Project/Area Number |
20760174
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Research Institution | Kanagawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
有川 敬輔 Kanagawa Institute of Technology, 工学部, 准教授 (50350674)
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Keywords | ロボット機構 / 蛋白質 / 運動学 |
Research Abstract |
まず, タンパク質のネイティブ状態を模擬した2次元簡易運動学モデルを計算機内に自動生成する方法を検討した. タンパク質の主鎖を平面シリアルリンク機構として表し. 各リンク間の相対角度を確率分布に従って決定していく. その際, 設定する確率分布によっては塊状あるいは繊維状の構造が生成されるが, 確率分布の極値や分散を調整することにより. 外形に窪みを有する(場合によっては, 複数ドメインを有する)タンパク質に特有の構造を効率的に生成することが可能である. このように生成したシリアルリンクのリンク間に, 原子間相互作用を模擬するためのスプリングを設定したものをタンバク質の運動学モデルとした. 次いで, この運動学モデル(50自由度)を用いて, タンパク質の構造の揺らぎ, および, 基質結合に伴うタンパク質の構造変化を解析するための基本アルゴリズムを検討した. リンク間相対距離の微小変化と関節角度の微小変化の関係を表すヤコビ行列を数値的に計算し, それを特異値分解することで, リンク間距離に変化が生じにくい運動モード.つまり, ゆらぎによって生じやすいと考えられる運動モードを列挙していくことが可能である. また, 外形の窪みを形成するリンク群に作用させる均衡力と運動学モデルの変形を関係付ける行列を, ロボットマニピュレータの可操作性(手先が発生しやすい速度や力の方向性を評価する指標) に基づいて解析することで, 変形を誘発しやすい部位を特定することが可能である.
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