センサ・アクチュエータの最適配置に基づく展開型知的テンセグリティ構造物の開発

2009 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 20760177
• Research Institution: Anan National College of Technology
• Principal Investigator: 川畑 成之 Anan National College of Technology, 機械工学科, 助教 (70390507)
• Keywords: テンセグリティ構造 / 展開構造物 / 最適設計 / 適応構造物

Research Abstract

本研究では容易に設置可能な災害時仮設住宅や,大規模宇宙構造物への利用を想定し,展開機能を備えた知的テンセグリティ構造物に関する研究を実施した.その中で,モード解析に基づくセンサ・アクチュエータ最適配置の技術と知識を活用し,複雑なテンセグリティ構造を最小限のセンサ・アクチュエータを利用することで,軽量構造であるという特徴を残しながら,展開機能を備えたテンセグリティ構造物の開発を目指した.また,構造ヘルスモニタリングの技術を適用することで,地上や宇宙空間における長期間にわたる運用でも安定した形状を保持し,損傷等をリアルタイムで監視できる,知的テンセグリティ構造システムの構築を目的とした.
21年度は以上の目的を達成するために,展開機構を備えたテンセグリティ構造の変形過程を解析し,より効率的な展開機構を開発した.また,安定した展開動作を実現するために,比強度比剛性に優れた新たなテンセグリティ構造様式を提案し,最小重量設計をすることで展開に必要なエネルギーの効率化を図った.具体的には以下の内容について検討した.
(1) 新たなテンセグリティ構造様式の提案と最小重量設計
・ 比強度比剛性に優れたタイプII型テンセグリティ構造を提案した.
・ 新様式の構造について,静的安定性解析と最小重量設計を実施した.
(2) 新様式テンセグリティ構造の自動展開過程の解析および試験用構造の製作
・ コンピュータシミュレーションにより自動展開過程の解析を行った.
・ 張力材調整式自動展開テンセグリティ構造模型を製作し,実験により展開動作の有効性を確認した.