2008 Fiscal Year Annual Research Report
大規模超電導電力貯蔵の実現をめざした超電導コイル用電流型電力変換器システムの開発
Project/Area Number |
20760180
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
野村 新一 Tokyo Institute of Technology, 統合研究院, 特任助教 (90401520)
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Keywords | 電力工学 / 超電導工学 / 超電導磁気エネルギー貯蔵 / パワーエレクトロニクス / 超電導コイル |
Research Abstract |
将来の電力システムにおいて, 電力貯蔵設備の積極的な導入が必要不可欠になると予想される。超電導磁気エネルギー貯蔵(SMES)は, 電気をそのまま貯められる特長から, 高効率かつ応答速度が極めて速い理想的なエネルギー貯蔵装置として期待されている。しかしながら, 大規模SMES装置を実現させるためには, 超電導コイル用電力変換器システムの開発が必要不可欠な技術課題の一つとなる。このような背景のもと, 本研究は, 「高効率かつ制御性に優れた超電導コイル用電流型電力変換器システムの実験研究を行い, 大規模SMES装置への適用の可能性を実証する。」ことを目的としている。平成20年度は, 可変直列コンデンサーの機能を有する電流スイッチとサイリスタ変換器とを組み合わせた超電導コイル用電力変換器システムに関して可能性検討を行った。通常, サイリスタ変換器は, 遅れ位相により超電導コイルへの直流電力を制御する。本研究では, 電流スイッチを用いて進み位相で直流電力を制御することを試みるものであり, 通常のサイリスタ変換器との多重接続を行うことにより電力変換器システムの最適化を行うものである。可能性検討の結果, 可変直列コンデンサーにより超電導コイルの充放電制御の可能性を理論的に見出すことができた。また, 概念の妥当性をより具体化するために実験機器の整備も進めており, 平成21年度は, 実証モデルを用いた実験研究を進めていく予定であり, 実機レベルでの技術的課題の検討を進めていく予定である。
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