2008 Fiscal Year Annual Research Report
要素コイル積層型高温超伝導ソレノイドコイルの交流損失低減に基づく設計法の研究
Project/Area Number |
20760181
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
小川 純 Niigata University, 自然科学系, 助教 (60377182)
|
Keywords | 高温超電導 / 超雷道リアクトル / 交流損失 / 評価方法 |
Research Abstract |
本研究は、超電導コイルのモデル化、測定法の確立、交流損失最小化に基づく最適設計法の提案の構成で行われている。本年度は、高温超電導線材の基礎特性の調査と実験結果に基づく交流損失特性のモデル化、パンケーキコイル積層型コイルの交流損失評価を行った。 高温超伝導線材の基礎特性評価として、液体窒素温度における外部磁界の大きさと印加角度と通電電流の大きさによる交流損失のモデル化を行った。Y系線材の場合、薄膜形状であるため線材面に平行に磁界を印加した場合には、交流損失は非常に小さく通電することにより生じる交流通電損失のみの影響しかほぼ見られない。Bi系線材の場合には、平行磁界印加時の交流損失は無視することができないことがわかった。 積層型コイルの交流損失特性評価のために、Bi2223/Ag線材を用いたダブルパンケーキコイルを3種類作成し、これらの交流損失測定を四端子法により測定を行った。この結果より、小型のパンケーキコイルでは測定が可能であるが、パンケーキコイルの層数を増加すると測定が困難になっていくことが実験的に示された。この要因としてコイルのインダクタンスが振動により安定していないためであるということが実験により示された。この結果より、来年度はこの問題を解消し超電導コイルの定量的評価を行う予定である。また、数値実験においてはパンケーキコイル積層型ソレノイドコイルの交流損失導出のための数値解析コードは開発済みであり、最適化設計を行うための数値解析コードを平成21年度に行う予定である。
|