2009 Fiscal Year Annual Research Report
要素コイル積層型高温超伝導ソレノイドコイルの交流損失低減に基づく設計法の研究
Project/Area Number |
20760181
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
小川 純 Niigata University, 自然科学系, 准教授 (60377182)
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Keywords | 高温超伝導 / 超電導リアクトル / 交流損失 / 積層型超電導コイル |
Research Abstract |
前年度得られた高温超電導線材の交流損失特性に基づき、Bi2223/Ag線材とY系線材の交流損失特性のモデル化を行った。このときのパラメーターとして、臨界電流値、線材の種類0磁界の大きさ・印加角度電流値とし交流損失特性のモデル化を行った。また、計算を高速化するためにソレノイドコイルが作る磁界を導出するために用いる楕円関数を簡略化した解析コードの作成を行い、超電導ソレノイドコイルに生じる交流損失の導出時間を短時間にすることに成功した。 実験では、前年度行ったパンケーキコイルの交流損失の四端子法による測定の改良を行い、前年度問題となっていた振動の抑制を行うことにより、多少改善されたが超伝導コイル自身の振動による影響があり小型のソレノイドコイルの測定のみ行った。この結果を基に実験結果と解析結果を比較したところ要素型コイル積層型高温超伝導ソレノイドコイルの交流損失は一致することが示された。ただし、パンケーキコイル単体のような平板形状のコイルでは、線材中心の磁界の大きさと印加角度を代表値として数値解析を行った場合、実験値と乖離することが実験との比較により確認した。この理由はコイルを構成している超電導線材の断面方向に磁界のグラディエーションがあり、線材中心部の磁界を代表値として用いることができないためである。本件研究ではソレノイドコイルを評価対象としており、超伝導線材内の磁界のグラディエーションに関して数値実験を行った結果、ソレノイドコイルのような縦長の形状では線材内の磁界のグラディエーションがコイル全体の交流損失特性に大きく影響を及ぼさないことを確認した。 これらの結果をもとに、要素コイル積層型高温超伝導ソレノイドコイルの交流損失の数値実験を行い、コイルを構成する超電導線材の平行磁界成分が交流損失特性に及ぼす影響に関して考慮しソレノイドコイルの交流損失を導出する必要があることを示した。
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Research Products
(1 results)