2009 Fiscal Year Annual Research Report
広波長帯域にて超高速な2光子吸収型全光スイッチ実現の研究
Project/Area Number |
20760195
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
坂東 弘之 Chiba University, 大学院・融合科学研究科, 助教 (70298149)
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Keywords | 光スイッチ / 半導体光物性 / 超高速光デバイス / 2光子吸収 / 光非線形デバイス |
Research Abstract |
前年度までに得られていたドライエッチング条件では,サイドエッチングは生じなかったがエッチング面が滑らかとはいえず,導波路に光を伝搬させた際の伝搬損失が懸念されていた。そこで本年度は,アンダーカットが無く滑らかなエッチング面が得られるプロセス条件を検討した。その結果,ICP-RIEのRF Bias値を検討することにより,非常に滑らかな加工面を得ることが出来た。作製した導波路構造にて実際に光伝搬特性を測定するには,導波路の領域を取り出し,その端面から光を入射し他端面から光を検出しなければならない。そこで,導波路が作製された基板から導波路部分を切り出す方法を検討した。その結果,作製した導波路(幅:約1μm,高さ:約0.2μm-約10μm,長さ500μm)を傷めることなく基板を厚さ約100μmまで裏面研磨することで,導波路部分を長さ100μm-400μm(精度約10μm)の所望の長さに切り出せる方法を確立した。以上の手法を用いて,幅16μm,高さ10μm,長さ225μmのInP光導波路試料を作製し,光導波特性および2光子吸収特性を測定した。光入射は,CWの半導体レーザー光(波長1640nm)またはフェムト秒レーザー光(波長1640nm,パルス幅150fs)をシングルモード光ファイバに入れ,このファイバ他端を導波路端にバットジョイントし行った。ファイバの位置決めや出射光状態の確認などは,前年度作製した顕微測定系を使用した。その結果,弱強度であるCW光(1.7mW)の光導波路中での伝搬損失は測定されず,少なくともドライエッチングが原因となる光損失は現れていないことが確認できた。これに対し,強強度であるフェムト秒レーザー光では,入射光強度を0.03GW/cm^2から0,3GW/cm^2まで変えた際に,透過率が約10%減少し,導波路中での2光子吸収が測定された。
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