2008 Fiscal Year Annual Research Report
電気磁気効果と交換結合による電子スピン制御のための半導体電界効果素子構造の作製
Project/Area Number |
20760197
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
横田 壮司 Nagoya Institute of Technology, 工学研究科, 助教 (10402645)
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Keywords | 電気磁気効果 / 磁気抵抗 / MISキャパシタ / スピントロニクス |
Research Abstract |
電界によって磁性を誘起できる電気磁気効果物質Cr_2O_3をゲート絶縁膜とし、強磁性体ナノドットを記憶層(F.G.層)とした電界効果素子構造(キャパシタ)の作製を目的として以下の研究を実施した。 1) F.G.層としての強磁性金属(Fe、FeCr)ナノドットの作製 CeO_2/Si上にFe、FeCrの薄膜を種々の厚さで成膜し、強磁性体ナノ粒子の分散状態の異なる試料を作製した。AFMによりその表面形状を観察し、分散状態に差異があることを確認した。また、真空急速加熱炉を用いて熱処理を施すと比較的均一な粒径(約18nm)を有した試料が作製できることがわかった。また、いずれの試料も熱処理によって大きく粒成長はせず最近接の粒子と結合した成長をすることがわかった。 2) 強磁性金属をF.G.層として分散させた試料の電気特性評価 Cr_2O_3/(Fe or FeCr)/CeO_2/Siの容量-電圧測定により電荷注入特性を評価した。F.G.層の分散状態をFeの成膜時の換算膜厚で番号付けして電荷注入量との探査を行ったところ、換算膜厚0.5nmの時に最も電荷注入量が多いことがわかった。これは、分散状態が高い場合、強磁性体よりも欠陥が多い酸化物中に電子が注入されやすいためである。このような状態で磁場を印加しその注入量を探査したところ、0.5nm以下のF.G.層では電子が注入されるものの磁場に対しては応答はなかった。一方で、0.5nm以上では注入量が増加することがわかった。磁場中で注入過程における電流-電圧測定から磁気抵抗を見積もったところ、負の磁気抵抗を示し磁場による抵抗変化が電荷注入量の増加に起因していることを明らかにした。これは、このキャパシタが電荷を記憶し、磁場によって別の情報を記憶できる可能性を示唆するものであり、当初の目的である電場・磁場による多値化メモリ作製の可能性の糸口となる。
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Research Products
(12 results)