2008 Fiscal Year Annual Research Report
強誘電体ー極性半導体分極相互作用による量子細線の形成
Project/Area Number |
20760201
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
吉村 武 Osaka Prefecture University, 工学研究科, 助教 (30405344)
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Keywords | 強誘電体薄膜 / 極性半導体 / 量子デバイス / 走査プローブ顕微鏡 / ドメイン / 分極 |
Research Abstract |
本研究では, 同程度の自発分極を有する極性半導体(ZnO)と強誘電体(YMnO3)のヘテロ界面に対して, 走査プローブ顕微鏡を用いて強誘電体層に微小な分極反転領域を形成することにより, 物理的な加工を行わずに電気的に量子構造を形成することを目標としている. 本年度は, ヘテロ構造の作製, 電極の形成方法の確立, および素子の作製とその特性評価を行った.ZnO/YMnO_3ヘテロ接合の作製にはレーザアブレーション法を用いた. 製膜条件の最適化を行い, YSZ単結晶基板上にエピタキシャル成長したZnO/YMnO_3ヘテロ構造を作製した. また, そのYMnO_3層が強誘電性を有していることや, ZnO層の電気伝導特性など, 素子の作製において要求される特性がそれぞれの層で得られていることを確認した, 続いて電極間隔が数即程度のソース・ドレイン電極を形成するプロセスを確立し, その上にZnO/YMnO_3ヘテロ構造を形成することにより素子の作製を行った, 得られた素子に対しチャネル領域上で微小プローブを操作しながら電圧を印加し, その時に流れるドレイン電流の変化を測定した. 最初はリーク電流などの問題があったが, 素子の構造や作製プロセスを見直した結果, 微小プローブの位置に対応したドレイン電流の変化が確認された, 詳細な解析の結果, ドレイン電流の大部分は微小プローブが作った電界によって誘起されたキャリアを起源とする常誘電的な成分であったが, 強誘電性の分極による成分も存在していることが明らかになり, 本研究で提案する素子の実現可能性を示すことができた.
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