2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20760205
|
Research Institution | Matsue National College of Technology |
Principal Investigator |
箕田 充志 Matsue National College of Technology, 電気工学科, 准教授 (00311069)
|
Keywords | 極低温 / 電気絶縁 / 放電 |
Research Abstract |
超伝導を応用した電力機器の開発が活発に行われている。超伝導ケーブルや超伝導コイルは, 極低温, 高機械的応力, 高磁界など過酷な環境下に曝される。一方, 超伝導機器の長期信頼性を確保するため電気絶縁は重要な技術課題である。しかしながら, 超伝導機器は極低温で用いられるため固体絶縁の導入を検討した場合, 固体高分子の熱収縮によって極低温で機械的なクラックが発生する問題がある。このため, 固体高分子材料を用いた電気絶縁においては極低温におけるこれらの問題を解決する必要がある。 本研究は, ナノテクノロジーによって作製された充填材を, 従来の高分子材料に配合したナノコンポジット材料を極低温電気絶縁に利用し, その基礎特性を詳細に検討することで, 極低温領域で用いる電力機器の絶縁性能を向上させることを目的とする。 当該年度は, 研究の基礎データの蓄積を行うため, 主に『極低温におけるナノコンポジット材料の絶縁破壊特性の解明』について研究を進めた。 主に, 高温超伝導導体の動作温度を対象とし, 液体窒素(77K)を周囲雰囲気とした試験を実施した。絶縁材料にはポリイミドをベースとしたナノフィラーを配合したフィルムを用いた。 ナノフィラーが充填された試料においては, フィラーが配合されていないものと比較して, 破壊箇所の観察から放電が抑制されている可能性が示唆された。この原因として無機質のフィラーが耐部分放電特性に優れていることから, 部分放電の進展特性を改善した可能性が高い。 このことは, 機器の電気絶縁性の観点から有利であると考えられる。
|