2009 Fiscal Year Annual Research Report
時間分解光音響法による有機半導体のエネルギー失活過程に関する基礎研究
Project/Area Number |
20760206
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Research Institution | Takuma National College of Technology |
Principal Investigator |
森宗 太一郎 香川高等専門学校, 電子システム工学科, 講師 (30455167)
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Keywords | 光音響信号 / 弾性波 / 有機材料 / 熱失活 / 膜厚 / 圧電素子 |
Research Abstract |
有機エレクトロニクスの新規応川展開のため、高速な有機半導体デバイスの実現が必要である。申請者らはこれまで有機材料を用いた有機受光素子の高速化について検討し、100MHzの応答が得られることを実証してきた。本研究では応答速度を制限する基本的な要素である熱失活過程について調べる方法について検討した。従来型のマイクロホン法だけでなく、非破壊で測定できる圧電素子を用いる方法により熱エネルギーの時間的な変化を観測することで、素子内部での熱失活過程が応答特性にどのように影響するかを検討することができる。そこで申請者は、有機受光素子の高速な応答時における熱失活過程を明らかにするため、有機材料と有機受光素済内部の熱失活渦程について圧電素子を用いて時間的に観測できる測定技術を確立することを日的とした。 昨年度は検出部に高感度AE (Acoustic Emission)センサを使用することで、数十nmの膜厚を持つ有機薄膜の信号変化を観測することができた。 今年度の実験内容と結果を下記にまとめる。 (1) 可視光短パルスレーザによる弾性波計測と非破壊測定 昨年度の実験では光源としてArFレーザ(248nm)を用いて信号の確認を行ったが、高エネルギーのために炭素間の結合が切れるなどの劣化が予測されることから、今年度は可視光YAGレーザ(532nm)を用いた測定系によって弾性波の確認を行い、取り付け位置や密着時の強さ、膜厚と信号の大きさなどについて最適化を行った。 (2) 真空中での測定 真空装置内での評価確認を外部からの光照射が可能な真空排気装置を用いて行った。 (3) 検出信号の解析 観測された弾性波信号に対する周波数解析を行った。膜厚と信号強度の恋化の関係はバイラモフ効果と伸縮効果を考慮したJ-A理論に従っている可能性があることが分かった。
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Research Products
(7 results)