2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20760210
|
Research Institution | Osaka Municipal Technical Research Institute |
Principal Investigator |
品川 勉 Osaka Municipal Technical Research Institute, 研究員 (50416327)
|
Keywords | 酸化亜鉛 / 太陽電池 / 電気化学 / ピラー / 水溶液 / 形状制御 |
Research Abstract |
三次元構造を有する酸化亜鉛薄膜のガラス基板上への析出を電気化学的・化学的に試み、以下の成果を得た。1. 電気化学的製膜では、硝酸亜鉛水溶液のカソード分極により酸化亜鉛薄膜を透明導電膜付ガラスへ電析させ、硝酸亜鉛濃度、添加剤や電流密度が析出構造に与える影響を調べた。濃度が低下するに従って酸化亜鉛粒子は小さくなり、フラットな膜状からピラー状になった。このとき、酸化亜鉛はc軸優先配向を示した。また、塩化物イオンなど酸化亜鉛の特定の結晶面に配位する添加剤を使用するとピラー形状が変化することが明らかとなった。今後、適切な添加剤を使用することで、酸化亜鉛ピラー状粒子の構造制御が実現すると期待できる。さらに電流密度を電解初期に変化させると、ピラー粒子径が変化することを確認した。2. 化学的製膜では、ジメチルアミンボランを含む硝酸亜鉛水溶液にパラジウム触媒粒子を付与したガラス基板を浸漬することで酸化亜鉛を析出させた。この場合も、硝酸亜鉛濃度の低下にともない、ピラー形状の酸化亜鉛粒子が析出した。また、溶存酸素が酸化亜鉛の析出形態や電気特性に与える影響を調べたところ、溶存酸素は初期核形成に大きな影響を与えることが分かった。溶存酸素を水溶液中から取り除くことで、結晶性や電気特性の優れた酸化亜鉛を析出させることができた。以上のように、酸化亜鉛の形状制御と高品質化に対する知見が得られたことから、酸化亜鉛を利用した太陽電池の構築に向けて今後検討を進めていく。
|
Research Products
(5 results)