2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20760210
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Research Institution | Osaka Municipal Technical Research Institute |
Principal Investigator |
品川 勉 Osaka Municipal Technical Research Institute, 研究員 (50416327)
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Keywords | 酸化亜鉛 / 太陽電池 / 電気化学 / 電解析出 / 水溶液 |
Research Abstract |
本研究は、n型-酸化亜鉛ナノ構造半導体とp型-亜酸化銅半導体から構成される無機薄膜太陽電池を構築することを目的とする。酸化亜鉛ナノ構造体と亜酸化銅が良好なヘテロ接合を形成するためには、界面に欠陥等がなく、また格子整合性を確保して亜酸化銅を析出させることが肝要であるため、昨年度に開発した酸化亜鉛ナノピラー膜状へのp型-亜酸化銅半導体の電解析出条件の検討を行った。硫酸銅-乳酸浴を用いた亜酸化銅の電解析出において、亜酸化銅の粒径は析出電流密度ではなく、電解浴pHに強く依存して変化することが明らかとなった。電解浴pHを調整することで、粒径を約300nmから約2μmまで制御可能である。このように粒径が大きく変化する現象は、既存の析出メカニズムからはうまく説明できず、詳細は明らかではないが、初期物質である銅-乳酸錯体の構造や、亜酸化銅の前駆体である水酸化銅の生成速度Cu^++OH^-→Cu(OH)が浴pHで大きく変化することが原因として考えられる。一方、亜酸化銅の結晶配向性は、電解浴pHよりも電流密度に依存することがX線回折測定から明らかとなった。高い電流密度では、111優先配向、低い電流密度では100優先配向に結晶成長する傾向にあった。以上の結果から、亜酸化銅の電解析出において、電解浴pHや電流密度を制御することで、酸化亜鉛ナノ構造体の表面形状にマッチした亜酸化銅の析出形態を選択でき、良好なヘテロ接合界面を形成することに成功した。
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