2009 Fiscal Year Annual Research Report
3次元積層型人工網膜チップ向け非接触インターフェースの開発
Project/Area Number |
20760214
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
清山 浩司 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 教育研究支援者 (60412722)
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Keywords | 人工網膜チップ / 埋込医療機器 / 無線電力供給・通信 / 電流モード回路 / 復調器 / CMOS |
Research Abstract |
本研究課題では,(1)クランプ電流をデータ通信の信号に用いた電流モード復調回路,(2)動作環境に応じて供給電力を最適値に調整する電力負帰還制御機能の設計・試作および評価を行い,提案した方式の妥当性を実証した. 電流モード復調回路は,ASK(Amplitude Shift Keying)を用いて変調波から安定的な回路動作用電力とデータを同時に得る事を目的として,電圧制限回路(チップの過電圧保護回路)に流れる電流をデータとして利用する信号検出方式とした.通常の動作時,電圧制限回路にクランプ電流が流れ,チップの電圧は一定電圧に保たれる.電圧制限回路は,ダイオード接続MOSFETにより構成する.MOSFETのVGS-IDS特性から電圧制限回路に流れるクランプ電流の変化は順方向バイアス電圧の2乗で変化する.クランプ電流を復調信号に使用することにより,信号振幅の変化やノイズの影響を受けた場合においても電圧モード復調回路に比べS/Nの向上が可能となる.設計した電流モード復調回路は,全波整流回路,電圧制限回路,クランプ電流検出用カレントミラー,参照電流生成回路および電流比較回路である.復調回路は,参照電流生成回路において生成されるクランプ電流振幅の半分のDC電流とクランプ電流との比較を行い,1ビットの復調信号を出力する.電力の最適制御機能も,このクランプ電流から精製したDC電流とチップの消費電流を比較し,クランプ電流がチップの消費電流より大きくなった場合,電力の過剰供給と判断して,電力供給を低減させる方式とした. TSMC社のCMOSテクノロジを用いて実際にチップ試作と評価を行った結果,搬送波の周波数13.56MHz,データレート106kbpsにおいて変調度が4%まで低下した場合においてもデータ復調が可能である事を確認した.また,電力制御機能を用いる事により過剰な電力供給の回避が可能となり56%の消費電力削減が可能である事を確認した.
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Research Products
(5 results)