2008 Fiscal Year Annual Research Report
ナノCMOSを用いた無線通信用アナログ・デジタル混載LSI設計技術の研究
Project/Area Number |
20760216
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
傘 昊 Gunma University, 大学院・工学研究科, 助教 (30400774)
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Keywords | 集積回路 / 混載LSI / ナノCMOS / 無線通信 / AD変換器 / ΔΣ変調器 / アナログ集積回路 / デジタル信号処理 |
Research Abstract |
本研究では、通信用のアナログとデジタルが混載するシステムLSIの高性能化を実現するために、最先端のナノCMOSを用いた高精度、低消費電力のAD変換回路の実現を目指している。本年度では、研究計画に沿って、高精度・低消費電力の複素バンドパスΔΣAD変調器についで研究開発を行った。(1)複素AD変換画路のアーキテクチャの考案と選定を行い、システムの基本構成、通信のアプリケーションに適した信号処理手法、回路実現の可能性を考慮した結果、フィードフォワードΔΣAD型の変調器構成を採用した。この構成では、低電圧動作可能・広帯域信号処理が可能且つ回路の非理想特性の影響を軽減できるとの特徴があり、携帯通信機器が特有する低消費電力の要求にも達成する見込みがある。(2)複素AD変換回路アーキテクチャのブロック図レベルでの設計を行った。構成ブロックの検討に当たって、効率的に高精度のAD変換を実現できる複素のノイズ結合構成を新たに提案した。複素変調器の後段にエラー・フィードバック経路を追加し、二つ内部ADCの量子化ノイズを複素的に結合させ、再びADC回路の入力端へ注入することで、オペアンプ回路を追加せず、変調器の次数の増加を実現できたどこの提案構成とフィードフォワード構成の組み合わせでは、わずかな受動回路を追加するだけで複素ノイズ結合回路を構成でき、効率的に高次のノイズ・シェープ機能を実現し、低消費電力でより高精度のAD変換を実現できる。MATLABによるシミュレーションでは提案手法の有効性を確認した。提案した構成手法を国際学会MWSCASで発表を行った。(3)変調器内部の複素アナログ・フィルタおよび内部ADC/DACの構成手法の検討に着手し、提案したAD変換器構成の回路実現手法を検討した。
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