Research Abstract |
本研究では, 昆虫の複眼に倣った薄型撮像システムと, 画像処理・認識機能をもつ知的なイメージセンサ技術を基にして人の全周囲を常時見張り, 危険時には警告や通報を行う, 今までにないセキュリティ服の実現を目指す. 本年度は, 超小型複眼イメージセンサの設計に重点を置いた. 具体的な成果は以下のとおりである. 1. パルス変調を用いた低電圧・低消費電力イメージセンサを設計した. このセンサは, パルス変調方式受光回路のフィードバックループを, 外部回路を介して構成するため, 受光回路のリセットや, シャットダウンなどの制御が可能である. パルス変調方式イメージセンサにより, 入射光量に比例した周波数のパルスが得られることを確認した. 2. バス接続可能な小型マイコンアーキテクチャを設計した. このマイコンは, シリアルバスを介して, データ通信を行うことができる. 簡単なALUを内蔵し, 内部バスに接続したモジュールは全てメモリマップI/Oを介して制御できる. また, パルス変調方式イメージセンサをマイコン内部のバスに接続し, 光信号を受信できる. 0.35um CMOSプロセスに向けて設計した場合, マイコン部の面積は, 1.8mm×1.7mm程度になることを確認した. これは, より微細なプロセスを利用することで, 小型化できる. 3. 画像再構成アルゴリズムについて検討した. 最適なレンズ配置を検討し, 物体の距離分布を推定し, 高速に単一画像を再構成するための, アルゴリズムおよび実装を検討した. 並列ハードウェアであるGPUを用い, 従来手法に比べ, 50倍の高速化を実現できた.
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