2008 Fiscal Year Annual Research Report
可塑基板へのカルコパイライト半導体薄膜成長と太陽電池への応用
Project/Area Number |
20760226
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
峯元 高志 Ritsumeikan University, 理工学部, 講師 (80373091)
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Keywords | 高効率太陽光発電材料・素子 / 結晶成長 |
Research Abstract |
CuInSe_2(CIS)系太陽電池では、異種基板上(ガラス・ポリマー・金属泊)に構成元素(Cu, In, Se, Ga, Al等)を堆積させることによって、太陽電池を作製できる。基板に超軽量・フレキシブル基板を用いることにより、超軽量・フレキシブル太陽電池も作製可能であり、光があればどこでも発電でき、軽量・フレキシブルゆえにどこにでも装着・携帯できるユビキタス電源としても期待でき、大型太陽電池モジュール以外の新しい応用範囲を広げる事ができる。 CIS薄膜をポリイミド(PI)基板上へ堆積した後にランプ加熱装置によって結晶成長の促進を試みた。CIS太陽電池への応用を考え、裏面電極となるMoをPI基板に堆積させ、この基板にIn過剰とCu過剰組成のCIS薄膜を堆積させた。ここでは、基板の反りを抑えるため、Mo(1ミクロン)をPI基板(50ミクロン)の両面に堆積させた。また、CISの最適な成長温度(550度程度)においてPIが分解するため、比較的低温の400度でCIS膜を堆積させた。得られたCIS薄膜にランプ加熱装置で450度で短時間熱処理を施した。X線回折測定よりIn過剰、Cu過剰ともにCIS特有のピークが得られ、また、熱処理によって結晶性が向上することを確認した。走査型電子顕微鏡によるCIS薄膜の表面・断面観察から、In過剰組成のCIS薄膜には変化がないが、Cu過剰組成のCIS薄膜では、結晶粒径の増大が確認された。また熱処理時間を長くすることで、粒径が増大することが確認された。これはCISがCu過剰となり、CIS薄膜中のCu_2Seが影響し、結晶成長が促進されたためと考えられる。今回のCIS薄膜は400度以上の短時間熱処理により結晶性が向上し、特に熱処理温度450度以上でCu過剰のときにより結晶成長が促進された。
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