2009 Fiscal Year Annual Research Report
可塑基板へのカルコパイライト半導体薄膜成長と太陽電池への応用
Project/Area Number |
20760226
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
峯元 高志 Ritsumeikan University, 立命館グローバル・イノベーション研究機構, 講師 (80373091)
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Keywords | 高効率太陽光発電材料・素子 / 結晶成長 |
Research Abstract |
CuInSe_2(CIS)系太陽電池では、基板上に構成元素(Cu,In,Se,Ga,Al等)を堆積させることにより、太陽電池を作製できる。基板に超軽量・フレキシブル基板を用いることにより、超軽量・フレキシブル太陽電池も作製可能であり、光があればどこでも発電でき、軽量・フレキシブルゆえにどこにでも装着・携帯できるユビキタス電源としても期待でき、大型太陽電池モジュール以外の応用範囲を広げる事ができる。多元蒸着装置中でのCIS薄膜の高品質化を図るために、昨年度までの同時蒸着法ではなく、三段階法によるCIS薄膜の堆積を試みた。3段階法では1段階目にIn-Seを照射することでIn_2Se_3層を形成し、2段階目でCu-Seを照射し、Cu不足のCISからCu過剰のCISを形成する。Cu過剰組成になるとCu_2Se層がCISの表面に形成され、結晶成長が促進される。3段階目でIn-Seを照射し、太陽電池に適した組成を有する若干Cu不足のCIS薄膜を形成した。これまでの3段階法では、第2段階と第3段階の基板温度を450度と固定してきたが、昨年度のポリイミド基板の耐熱温度のデータを基に、2段階目終了時に基板温度を500度まで急速に上昇させて1分間保持することで結晶成長を促進した。その結果、X線回折から結晶性の指標である半値幅が改善されていることがわかった。また走査型電子顕微鏡による結晶断面の観察からは、結晶粒径の増大が確認された。今回、このCIS膜を用いて太陽電池を試作したが、漏れ電流が非常に大きく、太陽電池性能を得ることができなかった。 また、フレキシブルCIS太陽電池を実現する新プロセスとして、CIS膜の引き剥がし法による可塑基板上への転写も行った。その基本プロセスを確立した結果、通常構造に比べて変換効率が減少したものの、引き剥がし法によるフレキシブル太陽電池の試作に成功した。
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Research Products
(7 results)