2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20760230
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
岩田 賢一 福井大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (80284313)
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Keywords | 乱数生成 / 符号化・復号化 |
Research Abstract |
定常無記憶情報源と(d,k)制約を有する有限状態無雑音通信路が与えられたとき,語頭符号においてOne-shotの意味で伝送コストの期待値を最小にする符号の構成はMongeの行列の特性を利用した動的計画法を用いて構成できることを明らかにした.ここでの提案は,定常無記憶情報源と状態遷移関数が既知である有限状態を有する正整数の伝送コスト付き無雑音通信路の結合符号化として考え,情報源記号数nに対して多項式時間の計算複雑量とメモリ使用量を用いて構成可能なアルゴリズムである.提案したアルゴリズムを計算機上に実装を行い,その性能評価をした結果,これまで知られている最適な符号化効率よりシャノンの示した理論的限界に更に近い符号化効率を有する符号が構成できる例があることを示した.さらに,提案したアルゴリズムは1符号につき許容可能な最大コストの制約を追加した場合にも拡張可能であり,その場合における計算機実装も行った.提案したアルゴリズムは,ある分布を有する系列から別の分布への変換アルゴリズムの定常無記憶情報源と伝送コスト付き無雑音通信路の結合符号化への応用と捉えることができる.情報源と伝送コスト付き無雑音通信路の結合符号はなるべく平均コストを短くすることを目的としており,それに対して,乱数生成では生成したい目的の乱数に応じた確率分布を固定して,その確率分布に対応するコストを定めることになる.今後は,提案したアルゴリズムを乱数生成の見地からより精密に見直すことを課題とする
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