2008 Fiscal Year Annual Research Report
摂動素子によりスロットを励振した高能率導波管平面アンテナの研究
Project/Area Number |
20760231
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
木村 雄一 Saitama University, 情報メディア基盤センター, 准教授 (90334151)
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Keywords | 導波管スロット / マイクロ波・ミリ波アンテナ / 平面アンテナ / 高能率アンテナ / 逆相給電 / 一層構造 / 低コスト・大量生産 |
Research Abstract |
本研究の目的は、準ミリ波〜ミリ波の周波数で使用される新しい構造の導波管平面アンテナを開発することである。平成20年度においては、高利得・高能率が期待され、かつ、大量生産が可能な平面アンテナ逆相給電一層構造導波管スロットアレーアンテナの新しい構成法を検討し、以下の成果を得た。(1)導波管の広壁中央に直線状に配列されたスロットを励振する方法として、導波管狭壁から突出させた摂動素子(スロット励振壁)によりスロットを励振し、さらに、導波管底面から突出させた摂動素子(反射抑圧壁)によって反射波を抑圧させる方法を提案した。スロット励振壁の誘導性成分と反射抑圧壁の容量性成分は互いに打ち消し合うため、透過位相を小さく抑える効果が期待される。(2)提案された構成法によるスロットアレーを設計するため、スロット単素子の解析モデルを構築した。本解析モデルは、方形導波管の広壁中央に置かれたスロット、スロット励振壁、反射抑圧壁により構成される。ここで、スロット長は解析周波数における共振長とし、外部領域は放射条件を仮定した半自由空間とした。(3)本研究費により導入された3次元有限要素法電磁界シミュレータ(Ansoft HFSS)を用いて前述の単素子モデルを解析し、散乱行列を求めた。その結果、励振壁の長さを変化させると最大で40%程度の放射量が得られること、反射抑圧壁の長さおよび位置を調整することにより反射量を-20dB以下に抑制できること、さらに、励振壁と反射抑圧壁のリアクタンス成分が打ち消し合うことから、透過位相は5°以下に抑制されることが明らかにされた。以上のことから、本研究により提案された新しいスロットアレーを設計するための見通しが得られた。
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Research Products
(4 results)