2009 Fiscal Year Annual Research Report
摂動素子によりスロットを励振した高能率導波管平面アンテナの研究
Project/Area Number |
20760231
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
木村 雄一 Saitama University, 情報メディア基盤センター, 准教授 (90334151)
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Keywords | 導波管スロット / マイクロ波・ミリ波アンテナ / 平面アンテナ / 高能率アンテナ / 逆相給電 / 一層構造 / 低コスト・大量生産 |
Research Abstract |
本研究の目的は、準ミリ波~ミリ波の周波数で使用される新しい構造の導波管平面アンテナを開発することである。平成21年度においては、本研究で提案された高利得・高能率が期待され、かつ、大量生産が可能な平面アンテナとして期待されるスロットを直線上に配列した逆相給電一層構造導波管平面アンテナの設計法について検討を加え、以下の成果を得た。(1)導波管狭壁から突出させた摂動素子(スロット励振壁)によりスロットを励振し、さらに、導波管底面から突出させた摂動素子(反射抑圧壁)によって反射波を抑圧する構造を単素子として、導波管の広壁中央にスロットを直線状に配列したアレーを設計した。設計においては、平成20年度の研究成果を利用することにより、所望の放射量が得られ、かつ、反射を最小となるスロット励振壁および反射抑圧壁の寸法を決定した。その結果、設計周波数を25.33GHz、素子数を16とするアレーにおいて一様な励振分布が実現されることを、本研究費により導入された3次元有限要素法電磁界シミュレータ(Ansoft HFSS)を用いて明らかにした。(2)設計されたスロットアレーの有効性を確認するため、(1)で設計されたスロットアレーを有する放射堂導波管16本を配列した平面アンテナを試作し、実験により特性を評価した。遠方界測定により、設計周波数においてボアサイト方向を最大放射方向とする良好なH面放射パターンが実測され、シミュレーション値と良い一致をみた。また、近傍界測定により振幅の偏差を3dB以内、位相の偏差を40°以内とする良好な一様励振分布が得られることを確認した。なお、利得の最大値は約30dBi(効率45%)であった。これは素子間相互結合の影響により給電回路方向の励振分布が乱れたものと考えられ、対策は今後の課題である。以上のことから、本研究により提案された新しいスロットアレーの有効性が実証された。
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Research Products
(4 results)