2011 Fiscal Year Annual Research Report
MIMOコグニティブ無線における送信アンテナ数を認知するための実験的検討
Project/Area Number |
20760248
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
田久 修 信州大学, 工学部, 助教 (40453815)
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Keywords | 移動体通信 |
Research Abstract |
本研究課題は、MIMO技術を適用したコグニティブ無線において、周波数を共有する無線端末が放出した信号を検出し、その端末の送信アンテナ数を認知する実験的検討である。 最終年度である本年度では、FPGAの実証検証により、検討する送信アンテナ本数推定の実現可能性を明らかにした。さらに、応用研究として、送信アンテナ本数を推定したとき、新規無線機が新たに伝送できる情報量(スループット)を評価した。その結果、検討法を活用することで、高い周波数利用効率が実現できることを示した。また、派生研究として、他の信号検出技術の実験検証を実施した。 具体的な、研究成果は下記のとおりである。 1、FPGAを用いた実機検証 FPGA信号処理ボード(東京エレクトロニクス社製TD-BD-APP100)による、送信アンテナ数推定に必要な信号検出精度を評価する実験機構を構築した。その結果、検出精度を信号対雑音電力比(SNR)規範により定量的に明らかにし、送信アンテナ推定法に必要な精度を満たしていることを確認した。また、必要な遅延時間量を明らかにした。 2、プライマリシステムの並列送信数に合わせた、周波数共用検証 プライマリシステム(PS)の送信アンテナ数をセカンダリシステム(SS)が認識した場合、それを活用したSSの空間共有法の検証をした。送信アンテナ数の情報を利用し、SSが適切な並列送信数を選択することで、PSの必要スループットを保持し、SSのスループットが高められることを示した。 3、各種信号検出の実験的検証 FPGAによる実機検証の知識から、周期定常性検出法や協力信号検出法の実証検証を実施し、その検出精度を明らかにした。特に周期定常性検出では既存法を改良し、低複雑で高精度な検出法を提案した。 以上研究成果について、国際会議における技術展示会にて発表するなど、精力的に対外発表を進め、その成果の周知に努めた。
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