2010 Fiscal Year Annual Research Report
十分統計量に着目した情報源および通信路に対するユニバーサル符号の理論解析と設計
Project/Area Number |
20760250
|
Research Institution | Shonan Institute of Technology |
Principal Investigator |
有村 光晴 湘南工科大学, 工学部, 講師 (80313427)
|
Keywords | 無歪みデータ圧縮 / 十分統計量 / 情報源符号化 / VF符号 / タンストール符号 / 一般情報源 / 個別冗長度 |
Research Abstract |
平成22年度は,無歪みデータ圧縮のための符号のうち,可変長メッセージ-固定長符号語符号(VF符号)と固定長メッセージ-固定長符号語符号(FF符号)の冗長度の解析を理論的に行なった. 本研究では,十分統計量を通してユニバーサル符号を理論的に解析すると共に,さらなる高性能な圧縮アルゴリズムを設計するための方法論を構築することを目指している.特に,これまで提案されているデータ圧縮符号は,ほとんど全てが固定長メッセージ-可変長符号語符号(FV符号)であり,VF符号は理論・実用の両面において研究が進んでいないため,本年度はVF符号を中心として研究を行なった. 十分統計量を通した解析には,各メッセージの符号語長を,エントロピーではなく各メッセージの確率と比較する必要があるため,個別冗長度の解析が必要となる.そこで本年度は,VF符号に対して十分統計量を用いた解析を行なう準備として,まずVF符号の冗長度の解析を行なった.その結果,これまで定常性やエルゴード性を仮定して平均的な挙動を明らかにすることを目指していた理論解析と異なり,本研究では情報スペクトル的方法を用いた解析や,個別系列に対する冗長度の解析を行なうことで,その平均的な挙動だけでなく,様々なデータに対する性能が明らかになった. またVF符号の性能評価に関連して,新しくFF符号の個別冗長度に関する解析も行ない,これまで理論的には定義されていた情報スペクトル的な量の新しい操作的な意味が明らかになった.
|
Research Products
(6 results)