2009 Fiscal Year Annual Research Report
ストリーミングデータに対する適応的なデジタル署名の開発
Project/Area Number |
20760256
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
酒井 正夫 Tohoku University, 教育情報基盤センター, 准教授 (30344740)
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Keywords | デジタル署名 / セキュリティ / ストリーミング / 予測 |
Research Abstract |
本年度は、実用的なストリーミングデータに対して生成されるデジタル署名の正当性の定量化と、ある有限な計算資源に対して実現可能なデジタル署名の正当性の上限値推定の技術開発に資するであろう、ストリーミングデータに対する予測モデルの定量的な性能評価と予測精度限界推定の手法開発を行った。 実用的なストリーミングデータとしては、従来の予測モデル流用が容易であることから、放射線治療研究用に公開されている肺腫瘍位置の呼吸性振動データを前年同様に用いた。対象ストリーミングデータは、自然界特有のゆらぎ(非同期の周期性)が含有されるという意味で実用的である。 前年度までに開発した手法では、ゆらぎの影響による予測精度低下を回避する目的で、予測モデル設計の前段階において既観測ストリーミングデータに対する周期補正の処理を行っていた。この補正処理を行うことで、一般的な周期ダイナミクス予測モデルであるSeasonal ARIMAモデルを直接的に用いることが可能になる。しかし、周期補正処理の過程で本来のストリーミングデータを改変してしまうため、達成可能な予測精度上限を制限してしまう問題があった。 そこで本年度は、周期補正の処理を予測モデルの設計アルゴリズムに組み込む新しい手法の開発を行った。新手法では、事前に周期補正処理の必要がないため、データ改変に起因する予測精度上限の制限問題を回避することが可能である。また、周期補正処理に必要な計算コストも不要になるため、予測モデルの高次化や設計アルゴリズムの複雑化が可能になる。 本年度に新たに開発したデータ解析や予測手法の成果は、放射線治療への応用研究として発表している。また、デジタル署名などの技術と関連させた情報セキュリティへの応用成果は、特許出願する予定である。
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Research Products
(3 results)