2009 Fiscal Year Annual Research Report
離散事象システムの分解と調整による汎用離散最適化手法の開発
Project/Area Number |
20760259
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
西 竜志 Osaka University, 基礎工学研究科, 准教授 (10335581)
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Keywords | 離散事象システム / 離散最適化 / ペトリネット / 時間オートマトン / 分解法 / スケジューリング / 経路計画 / AGV |
Research Abstract |
離散事象システムの分解と調整による汎用性の高い離散最適化手法の開発を目的として,研究を実施し,以下の知見を得た. 1. 1次線形ハイブリッドペトリネットの最適発火系列問題を定義し,ラグランジュ緩和を用いたペトリネットの分解と調整に基づく離散最適化手法を開発した.開発した手法は従来のペナルティ関数法を用いた手法と比較して,解の最適性を評価できることと,および最適解に近い解を得ることができることを数値実験により確認した. 2. 動的搬送環境下における複数AGVのタスク割当てと経路計画の同時最適化問題に対するペトリネットの分解と調整による最適化手法を開発した.双方向搬送システムにおけるデッドロック回避アルゴリズムを開発し,デッドロックフリーな経路計画の導出を保証した.このアルゴリズムを導入した結果,離散最適化手法の収束性が改善されるとともに,提案手法はより短時間で最適に近い解を導出できることを数値実験により確認した. 3. 時間オートマトンの分解と調整による分解法をジョブショップ問題に拡張した.従来の分解法に加えて,複数のロケーションで全体のモデルを分割する新たな分解法を構築した.複数の分解手法による部分問題の状態数を評価し,分解点の選択に関する示唆を与えた.新たに開発した複数ロケーションによる分解法をフローショップ問題に適用した結果,従来の仕事を要素とする分解法と比べて,計算時間は多少長くなるが,最適により近い解を導出できることが数値実験により確認された.
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