2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20760260
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
秋山 龍一 Muroran Institute of Technology, 大学院・工学研究科, 助教 (00322876)
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Keywords | 信号処理 / 鶏胚 / 画像処理 / 体動 / ネットワーク |
Research Abstract |
平成21年度において、構築したカメラ映像をネットワークを介して複数計測するシステムにより、一般孵卵温度である38℃における鶏胚の体動計測を行った。体動は鶏胚の目を画像処理によって抽出することにより検出でき、画像のX-Y平面上での動きに加え、X、Y方向それぞれの動きを解析することができた。これにより、正常成長杯においては、孵卵開始90時間後ほどから一方向にゆらゆらと動き始め、その後その移動幅が大きくなっていくことが確認された。その後円運動へと動きが変化していき、孵卵開始120時間あたりでは周期的な変動となっていくことがわかり、この周期は成長と共に短くなっていくことが確認された。また体動が明らかに少ない胚は、原因は分からないが計測中に死亡していた。さらに孵卵温度を上げた場合には、体動のパターンに変化が見られたあと、頻度が減少し正常に発達できないことも確認された。このことから、体動は胚が正常に成長していくかの判断パラメータの一つとして有意であると考えられ、成長を評価する上で重要な成果だと考えている。体動が大きくなっていく時期は、初期胚のガス交換器官である絨毛尿膜が大きく発達する期間であり、関連性が考えられるが絨毛尿膜の成長スピードとの相関を明らかにすることはできなかった。しかし、明らかに体動の少ない胚の絨毛尿膜はほとんど発達しておらず、この発達に体動が大きく関与していると考えられる。今後は、体動の計測を他の生理パラメータと同時に行っていくことにより、異常成長胚の原因解明につながると考えられる。そのため、本研究で開発した体動計測システムは、今後新たな知見を得られる可能性があると考えられる。
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