2009 Fiscal Year Annual Research Report
磁性体を含む鉱山地域における磁界変動の地上・地中同時計測とその応用に関する研究
Project/Area Number |
20760268
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
大久保 寛 Tokyo Metropolitan University, システムデザイン研究科, 准教授 (90336446)
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Keywords | 磁界観測 / フラックスゲート磁力計 / 地中観測 / 鉱山 / ピエゾ磁気効果 / 地震断層運動 |
Research Abstract |
鉱山地帯における地上・地中の磁界同時計測システムを用いて観測を行った。本観測システムは機器のトラブルも無く,研究期間を通して無人観測を継続できている。 本研究期間中に観測地点の直近で発生した岩手・宮城内陸地震の際の磁界変化(従来,国内外でもこのような観測点の近傍で発生した地震についての観測データは非常に稀で貴重な観測データといえる)について詳細な解析を行った. ・磁界数値シミュレーションとの比較により,観測信号の定性的な妥当性を示した. ・日本国内の他の観測地点との比較により,地震時に観測された信号がグローバルな変化ではなく,観測地点のみで発生したローカルな変化であったことを示した. ・比較的遠距離で発生した大きな地震の時には,磁界の変化が発生しないことを示し,観測された信号が磁力計の揺れによるものではない,ということを示した. これらのデータは,地震発生時にピエゾ磁気効果によって断層近傍に磁界変化が発生することを示した地震電磁界観測の分野において重要な成果と言える.本観測地点では磁界変動信号ともに,気圧,電界など他の信号も観測しており,これらの信号との比較についても続けて研究を行っている。 また,この地震のいくつかの余震についても磁界変化を解析した。余震についても同様の磁場変化が観測されている場合があることを示し,発生する磁場変化が地震発生地点と観測地点の位置関係に依存する可能性がわかった.今後,更に継続的な観測研究を行うことで,これらについては明らかになっていくと考える.
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Research Products
(13 results)