2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20760284
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
竹井 義法 金沢工業大学, 工学部, 准教授 (30350755)
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Keywords | 部分空間同定法 / 匂いセンサ |
Research Abstract |
匂い認識を実現するシステムは,センサアレイと種々の多変量解析によるものが多いが,多変量解析を適用するパターンベクトルはセンサアレイにおける各センサ出力の振幅情報のみを用いたものが多く,その次元はセンサ数に依存する.これに対して,センサ応答モデルからシステムパラメータを推定することで,過渡特性を含む情報をパターンベクトルに包含でき,また,センサのキャリブレーションといった保守性や多変量解析を適用する際の多重共線性の問題から無制限に増加させることができないセンサ数に対して,センサ数以上に次元を拡大することも可能となり,その識別精度の向上が期待できる.本研究では,高選択性匂いセンサの実現に向けて,センサ応答のモデリングと同定によるセンサ出力からの特徴点抽出を行う,パラメータ推定に基づく匂い識別の有効性を検討した.具体的には,半導体式ガスセンサをセンサ素子に用いたセンサアレイを構成し,Prony法と部分空間同定法をベースとしたセンサ応答の指数関数和によるモデリングとそのパラメータ推定による特徴点抽出を検討した.閉チャンバー内に設置したガスセンサアレイへ一定濃度の被検ガスを導入し得られるステップ応答を用いて検討を行った.センサアレイを構成する個々のガスセンサにおいて,その振幅情報に基づいて多変量解析に供するパターンベクトルを構成した場合,正規化してもノイズや被検ガス濃度の変化に対する影響を受けやすい.これに対して,本実験における時不変系となるモデルパラメータの推定値を要素とするパターンベクトルを用いた場合は,主成分分析を用いた比較から良好な判別結果を与えることがわかった.今後は,リアルタイムな匂い識別のために,指数関数和モデルとアレイ化したセンサ応答の同定に関して,逐次部分空間同定法の適用等を検討する必要がある.
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Research Products
(4 results)